〜中濃救急研究会とは〜



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 救命士法が施行されて間もない頃、岐阜県関市内で単車と乗用車による交通事故があり、その時に心肺停止状態となった負傷者を、関市内のA病院に搬送した救急事例がありました。

 負傷者は18歳の若者であり、ヘルメットを被っていなかったために脳挫傷を含む多発外傷を認め、現場に救急車が到着したときには既に意識レベル300(痛み刺激にも全く反応がない状態)であり、呼吸、心臓ともに停止していました。
 (現場は人通りの多い商店街の通りでしたが、大勢の人々はただ遠巻きに見守っているのみでした。)

 救急隊は心肺停止を確認し、そのとき担当した2名の救急救命士により必死の心肺蘇生法が継続され救急室に搬送されました。
 病院に搬送されたとき、医師、看護師及び救急隊員など普段よりも多くの人数がいたにもかかわらず、丁度勤務交代時期でもあり、焦りと連携の悪さから随分と手際の悪さが目立ってしまいました。実際若者は即死状態で、殆ど処置の施しようもない状態だったのですが・・。

 これは事故の以前から指摘されていたことで、例えばこの時間帯には現場を指揮する医師等がいないといったことがあげられます。焦るのは治療に
参加したスタッフです。指示もなく、連携のとれない処置をしなければなりません。ここで、誤解のないように申し上げますが、処置的に患者さんの予後や生命を脅かすような「手際の悪さ」は通常発生しません。

あくまでも業務的な「連携の悪さ」があげられます。全員がプロの医療従事者なので、患者さんに対してしなければならないことは当然皆わかっており、全員が患者さんに対して処置を行っているのですが、例えば同じ事を2人が別のところでしていたり、「あ、この状況ならこの薬が必要」と2人が思いつき、準備をするなどです。


 普通、心停止時でも心臓マッサージをするスタッフと、注射などの処置をするスタッフ、指示をするスタッフ等と自分の役割が決められていれば、4人くらいでもスムーズに処置を行うことができますし、そのほうが無駄が無く動くことができます。ところが、勤務交替時期など、その日の役割が決まっていない時間帯にこういった事例が発生するとすべてやらなければならないことを各々のスタッフが頭に描いて自分で行おうとするために混乱します。患者さんへの処置は続くのですが、病院としては次にくるかもしれない患者さんのためにも余分なスタッフの手を空けて準備をしなければなりません。

 後に当時救急室で担当した看護師から「救急現場からの正確な傷病者情報の重要性」、「救急室での病院側スタッフと救急隊員との連携の強化」について指摘を受け、私たちはお互いに大いに反省するとともに救急医療に直結したより良いプレホスピタルケアを目指す上で この事故はきわめて貴重な事例となりました。


 その後東松主任看護師からの呼びかけにより、中濃地区の救急医療の一翼を担う看護師と救急隊員の有志を以て「中濃救急研究会」が発足しました。

 以来毎月1回メンバーが集まり、症例検討会や勉強会などで自己研鑽を重ねてきており、現在中濃病院看護師2名と関中央病院看護師2名及び中濃消防組合救急救命士4名の合わせて8名で運営しているところです。

 また、中濃病院脳神経外科の寺島圭一医師に当中濃救急研究会の顧問をお願いしており、医療に関する専門的な助言等を頂いています。

ただ一ついえることは、この事故以来、中濃地域の救急医療への取り組みの流れが変わるきっかけとなったことは確かなことです。最後になりましたが事故でお亡くなりになった男性のご冥福と家族のご多幸をお祈りいたします。


この中濃救急研究会では、
1.救急における初期対応の見直し
2.医師によって治療される前に患者の状態悪化を最大限に防ぐ
3.看護師と救急隊員等の連携プレイの円滑化


ということを目的としており、中濃地区のより質の高い救急医療の質の向上(プレホスピタルケアも含めて)を目指して、今後とも幅広く活動していきたいと考えています。

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