CPA患者への対応に関する看護者教育方法

―シミュレーションの効果と重要性―

                                

 〇東松ゆみ 船戸恵子(JA岐阜厚生連総合病院中濃病院)

                堀文子(岐阜医療技術短期大学)                             

                                          河合正成(医療法人香徳会関中央病院)

                                         

                                                                                

 

 

表1 参加者の年齢分布(人)

 

実施群

見学群

20代

28

16

30代

0

6

40代

2

8

50代

0

1

合計

30

31

 

 
【はじめに】病棟において心肺停止患者(以下CPA患者とする)の発生は予測できず、夜間など看護スタッフの少ない時に起こる可能性もあり、第一発見者となる看護者の適切な対応が重要である。曳田ら1)は、CPA患者に対する看護者等の経験不足や連携不足の問題を訴えており、救急対応の重要性を述べている。また、実際にCPA患者に遭遇した場合の対応に不安や自信の無さを感じている看護者は多いと考えられる。そこで看護者教育の一環として、CPA患者に対するシミュレーションを計画し実施した。今回、シミュレーションの効果と重要性について考察する。

【方法】看護者教育の一環として計画したシミュレーションに参加した68名を対象とし、シミュレーションの前後に対象者の属性とCPA患者への対応の経験や自信についてのアンケート調査を行なった。そのうち有効回答者61名(有効回答率91%)を対象に、シミュレーション実施群(以下実施群とする)とシミュレーション見学群(以下見学群とする)に分け分析した。2群の年齢分布は表1に示すとおりである。

【結果と考察】アンケートの結果を表2に示す。救急に関する講義は80%以上に受講経験があり、看護者の関心の高さを表している。また、70%

 

 

以上がCPA患者に遭遇したことがあり、そのうち実施群は90%、見学群は62%に何らかの処置や介助の経験がある。しかし、実施群の90%、見学群の61%が「できないと思う」と回答しており、主な理由として、処置への自信の無さを挙げていた。シミュレーション後には、「対処できると思う」と回答している人が、実施群は93%、見学群は97%であり、「今後もできないと思う」と回答したのは、実施群7%、見学群3%と著しく減少した。また、「今までできないと思っていたが、今後はできると思う」という回答の割合は見学群に比べて実施群が高く、シミュレーションを実施することで、自信につながったのではないかと思われる。また、実施後の声として「シミュレーションを体験することで、流れを再確認できた」「自信がついた」等という意見が聞かれ、シミュレーションの効果を再確認し、看護者教育の一環として取り入れることの重要性を感じた。

 【まとめ】

1.       多くの看護者がCPA患者に遭遇しているが、対応ができないと回答している割合が高い。

2.       シミュレーションを実施した方が見学をしているより、今後できると思う割合が高くなった。

3.       CPA患者に遭遇した場合の対応についてのシミュレーションを看護者教育の一環として取り入れるが重要である。

                                                                             

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      表2 アンケート結果

 

 

 

 

 

 

実施群

見学群

 

 

救急の講義を聞いたことがある

 

80%(24)

81%(25)

 

 

CPA患者への遭遇の経験がある

 

77%(22)

71%(22) 

 

 

CPA患者に遭遇したときに処置及び介助の経験がある

96%(23)

61%(19)

 

 

CPA患者に遭遇したとき対処できない

 

90%(27)

61%(19)

 

 

対処できない理由

心配だから 

10%(3)

0

 

 

 

自信がない

60%(18)

29%(9)

 

 

 

経験不足だから 

17%(5)

16%(5)

 

 

 

その他 

13%(4)

55%(17)

 

 

実施後 参考になった

 

100%(30)

94%(29)

 

 

今後のCPA患者への対応について

 

 

 

 

 

 今までできると思ったし、これからもできると思う

7%(2)

23%(7)

 

 

 今までできないと思っていたが今後はできると思う

53%(16)

26%(8)

 

 

 今までできないと思っていたがもっとシミュレーション回数を重ねればできると思う 

33%(10)

48%(15)

 

 

 今後もできないと思う

 

7%(2)

3%(1)